SCP-8700-PK - ジャパリパーク

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アイテム番号: SCP-8700-PK

オブジェクトクラス: Keter Euclid

特別収容プロトコル: SCP-8700-PKの存在する列島は全てサイト-81392:JPRに指定されます。サイト-81392:JPRは現状として存在そのものの隠蔽は不可能である為、小笠原諸島を含めた周辺地域にはカバーストーリー「不明生物発生による運営の難航」「パーク閉鎖のお知らせ」を流布します。同時に周辺半径2.5km範囲内には機動部隊や-9("パークスタッフ")のメンバーで構成されたSCPS"しまづき"、SCPS"ほしみ"、SCPS"たきがさき"、SCPS"やた"を配備し、内部から脱出を試みる存在を全て遮断します。機動部隊や-9("パークスタッフ")にはSCP-8700-PK-A-2を識別することが可能なゴーグル型デバイスが支給されます。

SCP-8700-PKの頂上に設置されているSCP-8700-PK-A発生抑制システム"四神フィルタ"は隔週での状態検査を行い、万が一異常が見られた場合はサイト-81392:JPR管理官に報告してください。低純度SCP-8700-PK-Aの発生によるSCP-8700-PK-A-2個体が出現した場合は、当該個体に海水を注入できるよう配備し、SCP-8700-PK-A-1個体を3名以上含めて構成された対処部隊ぺ-23("セルリアンハンター")による殲滅作業を行ってください。

SCP-8700-PK-A-1、SCP-8700-PK-A-2個体を用いた実験を行う場合はレベル3/8700-PKクリアランス保持職員か同クリアランスを有した職員2名以上の許可の上、サイト-81392:JPR敷地内で行ってください。

説明: SCP-8700-PKは、かつて存在した運営企業「JAPARIグループ」によって管理されていた、現在のサイト-81392:JPRに存在する活火山の一種です。サイト-81392:JPR自体東経███°、北緯███°に存在しており、財団による収容下に置かれる以前は「ジャパリパーク」という名称で一般に知られ一種のテーマパークの形式で公開運営されていました。

サイト-81392:JPRの土地の形状はおおよそ日本列島に近いものですが、SCP-8700-PK、及びその火山活動によって放出される火山物質(SCP-8700-PK-A)の影響によって熱帯、温帯、冷帯、寒帯、乾燥帯の気候をほぼ独立した状態で維持し続ける事が可能となっています。それらの気候には世界中の様々な動植物が生息しており、SCP-8700-PK-Aの干渉によるヒト型実体(SCP-8700-PK-A-1)、及び不明生物(SCP-8700-PK-A-2)を発生などといった異常な現象を起こす事で知られています。

また、サイト-81392:JPR内には██個の地点に大型商業施設を含めた設備が存在し、また他には47個の地点にかつてJAPARIグループが建造・所有していた研究施設が存在します。その中でも"カントー地方"と呼称されるサイト-81392:JPR中央部の地域には、JAPARIグループの本部が存在していた中央管理センター跡地が所在します。それぞれの施設は同じくJAPARIグループが開発した「ラッキービースト」と呼ばれる自律思考型ユニットが定期的に整備を行っています。なお、中央管理センター跡地は後述のSCP-8700-PK-A-2が多く生息しており、その危険性から武装済のレベル4/8700-PKクリアランス以上の権限を持つ職員のみアクセスが許可されます。

SCP-8700-PK-A-1は、財団による収容下に置かれる以前は「フレンズ」という呼称で知られていました。SCP-8700-PK-A-1の発生は、SCP-8700-PK-Aがサイト-81392:JPRに生息する哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類、及びそれらの個体の情報を含む有機物に触れるなどして干渉することでプロセスとして成立します。これは、SCP-8700-PK-Aに含まれる地球由来ではない物質であるUAI/200化合物がそれらの遺伝子情報に結合することで起こりうるものであると結論付けられています。

UAI/200化合物の結合は、先述の通り基底種の遺伝子情報、形質等が含まれているもの全般で発生します。この理由のため、既に地球上から絶滅している種に関しても同様にUAI/200化合物が干渉することでSCP-8700-PK-A-1として変化することが可能です。ただし、SCP-8700-PK-A-1がSCP-8700-PK-A-2に取り込まれるなどしてSCP-8700-PK-A-1としての形質を維持することが困難となった場合、SCP-8700-PK-A-1個体は基底種へと戻ることはなく、すべての例において消滅すると考えられます。

SCP-8700-PK-A-1は明確に食事を摂る必要性はそれほどなく、食事は一種のコミュニケーションや娯楽として行われるものと推定されます。一般的に摂食される食物としては、サイト-81392:JPR内で生産される「ジャパリまん」と呼称される食品が該当します。「ジャパリまん」は同様に自律思考型ユニットが生産を行い、SCP-8700-PK-A-1に配布しています。「ジャパリまん」はサイト-81392:JPR内で通貨の一種として扱われることもあります。

またゴールデンモンキー(Rhinopithecus roxellana)やタイリクオオカミ(Canis lupus)などといった一部のSCP-8700-PK-A-1個体は、創作物的要素など人類が持つ一般的なイメージに基づいた外見的特徴や行動を引き継ぎます。さらにはツチノコ等の実在性が確認されていない生物に関してもSCP-8700-PK-A-1として発生する例もあります。上記の絶滅種の事例も含め、これらの発生原理は全て例外的なものであり、UAI/200化合物のみの結合では通常考えられるものではないと指摘する財団の研究者もいます。その証拠として、JAPARIグループ所属の研究者であるカコ博士、及び████博士がその理由に関わっているとされていますが、押収資料の大部分が破損ないし消失しているため、明確な情報は確認できていません。

SCP-8700-PK-A-2は、財団による収容下に置かれる以前は「セルリアン」という呼称で知られていました。SCP-8700-PK-A-2はの発生は、SCP-8700-PK-Aが人工物等の無機物に触れるなどして干渉することでプロセスとして成立します。これは、SCP-8700-PK-Aに含まれる、上記と同様地球由来ではない物質のBLK/900化合物がそれらの無機物の形状や機構などの物理的情報を読み取り結合することで起こりうるものであると結論付けられています。

SCP-8700-PK-A-2は基本的に知能はそれほど高いものではなく、SCP-8700-PK-A-1個体を追跡し捕食する、明るい方向へ向かうといった習性を持ちます。SCP-8700-PK-A-2の外見的特徴として、すべての個体には結晶化したBLK/900化合物を一つ有しており、個体のコアとして機能しています。その為SCP-8700-PK-A-2を攻撃する場合は結晶化したBLK/900化合物1点を破壊するだけで崩壊に至らせる事が可能です。

また、後述する最低純度のBLK/900化合物で構成されたSCP-8700-PK-A-2は、塩分やミネラルを含んだ水溶液に非常に弱く、海水に直接浸水するなどした場合容易に崩壊させることが可能です。これは現在有効な特別収容プロトコルにも採用されている性質です。

SCP-8700-PK-A-2はいくつかの種類に分けられており、最もサイト-81392:JPR内で偏在しているタイプをα型と呼称します。α型SCP-8700-PK-A-2は青色を基調とした姿をしており、30cm~5mを超える個体まで存在します。次に多く見られるβ型SCP-8700-PK-A-2は紫あるいはオレンジを基調とした姿であり、主に雪原地帯や砂漠地帯に出現します。そして、最も出現頻度の低いSCP-8700-PK-A-2がγ型です。γ型SCP-8700-PK-A-2は最も高い数値のBLK/900化合物が検出された場合に出現が懸念されるSCP-8700-PK-A-2であり、その構成物質は冷えて固まった溶岩に近い、あるいは同等の性質を持ちます。γ型SCP-8700-PK-A-2はSCP-8700-PK-A-1による攻撃でも殲滅が困難なタイプであり、唯一の有効的な攻撃法は海水を干渉させることのみとなっています。

SCP-8700-PK-A-2の発生原因の物質であるBLK/900化合物は、過去のいずれかの時点で設置されたと思われるBLK/900化合物拡散抑制フィルタを用いることである程度抑えることが可能です。しかし、過去に米国軍による爆撃によって一部が損壊しており、抑制フィルタの制御装置である石版(以降、制御デバイスと呼称)の効果が無効化されていました。詳細に関しては、押収資料8700-PK-2032"カコ博士の研究日記"を参照してください。

収容経緯記録: SCP-8700-PKと現在のサイト-81392:JPRは、20██/██/██に発生した小笠原諸島周辺海域での活発化する海底火山の活動の結果発生しました。当時財団はフロント企業を通じて買収と収容を行う予定でしたが、先にJAPARIグループによる買収が成立したことで干渉が難航する事態に至りました[1]

20██年に、JAPARIグループはサイト-81392:JPRに指定される列島を「ジャパリ島」と呼称し、「世界中の絶滅の危機に瀕する動物を保護するための博物施設を建造する」という理論のもと、3年後に「ジャパリパーク」として一般にリリースされました。

しかし、一般にリリースされた直後にSCP-8700-PK-A-2による観光客の死傷事故が相次いだことで、JAPARIグループの株価は下方修正され続け、最終的に中央管理センター所在地へのSCP-8700-PK-A-2の流入による致命的な損害を受けたことで平常通りの運営を行うことができなくなり、ついにはジャパリパークは閉鎖されました。閉鎖に際して日本政府は米国政府に対する自国領土の爆撃を公式に依頼しており、幾つかの地点にて米国軍所有の爆撃機/戦闘機の残骸が確認できます。JAPARIグループはその責任を問われ日本政府から営業停止処分が発布され、現在は解体されています。

これらの事案を受け、財団はサイト-81392:JPRの本格的な収容作業に乗り出し始め、現在の状況に至ります。なお、フロント企業を通じてJAPARIグループ所属従業員の受け入れ先として多くは財団に雇用されました。JAPARIグループ由来の技術の多くはサイト-81392:JPRの収容作業に大いに貢献しています。

インタビュー記録8700-PK-01:

インタビュー対象: アフリカオオコノハズク(Ptilopsis leucotis)とワシミミズク(Bubo bubo)を基底種とするSCP-8700-PK-A-1個体2体。便宜上前者を-い、後者を-ろと指定する。

インタビュアー: 西条博士


<録音開始, 20██/██/██>

西条博士: インタビューを開始します。

SCP-8700-PK-A-1-い: 一体なんですか。いきなり話を聞きたいなどと押しかけてきて、よくわからないところに連れて行くなんて。島の長に対して失礼なのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: 用事は早めに切り上げるのです。われわれは賢いので、暇ではないのです。

西条博士: [数秒間の間]…えー、では。まず幾つかの質問をしますが……

SCP-8700-PK-A-1-い: ヒト。質問に答えてほしくば、それ相応の対価をよこすのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: よこすのです。

西条博士: はぁ、対価ですか。

SCP-8700-PK-A-1-い: そう、対価です。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: われわれが満足する対価をよこせたなら質問に答えるのです。

西条博士: あー、その申請は拒否されます。私達はホテルの従業員ではありませんので、知っていることを教えてください。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: では答えられないのです。全く、ヒトは物分りが悪すぎるのです。

SCP-8700-PK-A-1-い: 充分に考えるのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: ここまで無理やり連れてこられたようなものです。対価の1つや2つ要求してもいいのです。われわれはこの島の長ですよ?

西条博士: ……分かりました。埒が明かないので要求するものにもよりますが、一考しましょう。

SCP-8700-PK-A-1-い: なに、簡単なことです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: われわれに料理をよこせばよいのです。

西条博士: 料理?

SCP-8700-PK-A-1-ろ: そう、ヒトが得意とする料理というものです。さっさとよこすのです。

SCP-8700-PK-A-1-い: われわれを満足させるような料理を食べさせられたなら、質問に答えてやるのです。

西条博士: 料理、料理ですか…。では少し確認してみます。料理を与えたなら質問に解答してくれるんですね?

SCP-8700-PK-A-1-い: われわれは頭がいいので約束を守るのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: ただし満足させるような料理でなかったら、われわれを元の場所に返すのです。

西条博士: …[少しの間を開けて離席。5分後に再開]…えー、ではこれを。

[目の前にDクラス職員向けの給食を提供]

SCP-8700-PK-A-1-い: ……あんまり美味しそうには見えないのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: 本当に食べて大丈夫なのですか?

西条博士: 問題はありません。あなた方が私達の食事と同様のものを摂取しても問題がないことは調査済みです。

SCP-8700-PK-A-1-い: …[暫く提供された給食を凝視し、その後摂食]…まあまあなのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: …[SCP-8700-PK-A-1-いが摂食したあとに続けて摂食]…かばんが作った料理とはまた違う味なのです。

[給食を食べ終えるまでを省略]

SCP-8700-PK-A-1-い: まあ、マズくはないので良しとするのです。少なくともお腹は一杯になったのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: まあまあ満足です。お腹を一杯にさせたことはほめてやるのです。

SCP-8700-PK-A-1-い: 約束通り質問には答えるのです。

西条博士: そうですか。では質問を行いますが、えー、フレンズというものについて、あなた方はどこまで知っていますか?

SCP-8700-PK-A-1-い: そんなもの、ヒトのお前らが聞くまでもない事ではないのですか?

SCP-8700-PK-A-1-ろ: わざわざ言うまでもないのです。われわれは賢いので。

西条博士: …[何かを考える様子の西条博士]…なるほど、ではそのことについては何も知らないのですね。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: むっ……そんなことはないのです!バカにしないでほしいのです!だいたい……

SCP-8700-PK-A-1-い: 助手、落ち着くのです。なめられては島の長としてハジなのです。ここはピシッと答えてやると威厳が保てるのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: ……そうですか。では従うのです。博士。

SCP-8700-PK-A-1-い: フレンズはサンドスターのちからで、動物がヒトに似た姿になったものです。見ての通り、われわれもフレンズなのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: そして、フレンズはサンドスターを消費することで特別な能力を発揮させることが出来るのです。

西条博士: 特別な能力とは?

SCP-8700-PK-A-1-い: われわれは野生開放と呼んでいるのです。セルリアンに襲われた時や倒す時にフレンズが使うのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: ただし。使いすぎるとフレンズ化が解除されてしまうのです。だから好き好んで使う者はいないのですよ。

SCP-8700-PK-A-1-い: 今思えばここに連れてこられる時に使えばお前らヒトでもイチコロだったのです。われわれは強いので。

西条博士: なるほど、分かりました。知っていることはおおよそそれくらいですか?

SCP-8700-PK-A-1-い: あとはお前らで考えるのです。

SCP-8700-PK-A-1-ろ: われわれは言ったのです。暇ではないと。

西条博士: そうですか。では本日はこの辺りで終了します。

<録音終了, 20██/██/██>


終了報告書: その後それぞれのSCP-8700-PK-A-1個体を観察し続けましたが、その言動からしてSCP-8700-PK-A-1らはヒトが絶滅しているものと思いこんでいたことが分かりました。SCP-8700-PKに関する知識は財団が把握している程度の事しか得ていないようですが、標準知能の高さから要警戒としておきます。
インタビュー記録8700-PK-02:
インタビュー対象: アライグマ(Procyon lotor)を基底種とするSCP-8700-PK-A-1個体

インタビュアー: 西条博士


<録音開始, 20██/██/██>

西条博士: それではインタビューを開始します。SCP-8700-PK-A-1、よろしいですか?

SCP-8700-PK-A-1: えすしー……って、アライさんのことを言ってるのか?そんな名前じゃないのだ。

西条博士: では、なんとお呼びしましょう。

SCP-8700-PK-A-1: アライさんはアライさんでいいのだ!ところでフェネックはどこに居るのだ?

西条博士: ではそうします。あと、フェネックについては部屋の外で待ってもらっていますのでご安心を。[数秒間の間]では、これから、えー、アライさんにはいくつかの質問に答えてもらいます。いいですね?

SCP-8700-PK-A-1: んお?アライさんに答えられることならなんでも答えるのだ。

西条博士: では、あなたはどういった存在ですか?自分のことをどれくらい把握しているのでしょう?

SCP-8700-PK-A-1: …[沈黙]…そんなの、分かんないのだ。アライさんはアライさんなのだー。

西条博士: そうですか。では、あなたはあの、えー、ジャパリパークで一体どのような生活をしていますか?

SCP-8700-PK-A-1: そんなの決まってるのだ!フェネックとずっと一緒にかばんさんを追いかけてたのだ!

西条博士: かばんさん、とは誰ですか?

SCP-8700-PK-A-1: かばんさんはすごいフレンズなのだ!アライさんの命の恩人で、温泉の危機を救ったり、あのペパプとも友達なのだ!…[5分ほど"かばんさん"についての語り。重要度が低いため省略]…でも、最初のうちは帽子ドロボーと勘違いしてたってフェネックが教えてくれたけど……。

西条博士: なるほど、そこまですごい人物が、ふむ。……ああ、ちょっと待っていてください。すぐに戻ります。…[西条博士が2分ほど離席]…えー、では再開します。フェネックとはどのような関係なのですか?

SCP-8700-PK-A-1: フェネックはアライさんのお友達なのだ!

西条博士: お友達ですか。

SCP-8700-PK-A-1: そうなのだ。かばんさんに会うまでずっと付き添ってくれた仲なのだ。

西条博士: では、あなたはフェネックの事をどのように思っていますか?

SCP-8700-PK-A-1: 勿論大好きなのだ!

西条博士: ……分かりました。では今日はここまでにしておきます。お疲れ様。

SCP-8700-PK-A-1: お疲れ様なのだ!……なんだか色々お話したらお腹が空いたのだ。あとでフェネックとジャパリまん食べたいのだー。

<録音終了, 20██/██/██>


終了報告書: サイト-81392:JPRに生息する"かばんさん"と称されるSCP-8700-PK-A-1個体について、現在確認されるSCP-8700-PK-A-1個体よりさらに高度な知性を兼ねているものと思われ、さらなる調査を行う必要があるものと考えられます。
インタビュー記録8700-PK-03:
インタビュー対象: 基底種不明のSCP-8700-PK-A-1個体。

インタビュアー: 西条博士

付記: 当該個体の基底種の判別のための検査の一環としてのインタビューです。


<録音開始, 20██/██/██>

西条博士: それではインタビューを開始します。

SCP-8700-PK-A-1: えーと、よろしくおねがいします。

西条博士: あなたは「かばんさん」で間違いはありませんね?

SCP-8700-PK-A-1: はい、かばんです。

西条博士: 分かりました。ではいくつかの質問を行います。あなたは自分が何者であるかを把握していますか?

SCP-8700-PK-A-1: ボクですか?……えーと、ヒト、でしょうか。

西条博士: 確かに、見た目としての要素は概ねヒトです。しかし、既にあの、パークの中にはヒトはいないんですよ。あなたがヒトだとして、あの地でどのようにして生活していたのでしょうか?

SCP-8700-PK-A-1: ええ……ぼ、ボクはずっとサーバルちゃんと一緒にヒトを探してただけですよ…ボクの仲間が居るかもしれないからって。

西条博士: そうですか。そうであるなら我々はヒトであることを明言しておきます。念のため申し上げると絶滅はしていません。

SCP-8700-PK-A-1: あなたが、ヒト……。

西条博士: しかし、SCP-8700-PK-A-1。あなたはヒトであるにも関わらず、あのパーク内にいつからかは不明ですが存在していた。これについては何か心当たりはありますか?

SCP-8700-PK-A-1: いえ、全くボクには…。

西条博士: なるほど、自分のことについてはわからないことが多いということでよろしいですね?

SCP-8700-PK-A-1: はい。

西条博士: 分かりました。ではこの後隣の部屋で係員の指示に従って検査をしてください。

SCP-8700-PK-A-1: えっと、はい。分かりました。

<録音終了, 20██/██/██>

補遺-02: "かばんさん"と呼称されるSCP-8700-PK-A-1のDNA検査の結果、当該個体はヒト(Homo sapiens)であることが判明しました。しかし、その肉体内部には多くのUAI/200化合物が含まれており、SCP-8700-PK-A-1は一般的なヒトでは無いこともまた同時に判明しました。なお、このDNA検査の結果として、かつてJAPARIグループで従業員を務めていたミライ氏と同一であるという報告がなされています。なお、ミライ氏は財団によるSCP-8700-PKの収容以降、消息が判明していません。

押収資料8700-PK-2032: "カコ博士の研究日記"

付記: 押収資料8700-PK-2032の執筆者であるカコ博士は、かつてJAPARIグループに所属し、サイト-81392:JPRに所在していた「ジャパリパーク動物研究所」の副所長を努めていた人物です。20██年現在、氏はSCP-8700-PK-A-2による中央管理センターの襲撃が発生した際の事故で意識不明の重体となっており、現在は財団所有サイト-81██内の療養施設にて安静状態にあります。なお文書内に言及される、同研究所の所長を務めていた████博士は上述のミライ氏と同様に消息が判明しておらず、捜索中です。

20██年█月██日

今日はとてもいい天気だった。 パークは相変わらず平和とは言えず、セルリアンの度重なる襲撃や暴走の報告が相次いでいる。 私はその報告に目を通しつつ、有効な対処法について研究し続けている。

面倒ではあるが、1つばかりうまく行きそうな方法があったりする。ただ、相当な危険を伴うため誰もやりたがらないだろうな。 詳細については明日に報告書としてまとめよう。

20██年█月██日

今日は昨日と打って変わって土砂降りだった。 雨の日はフレンズ達も引きこもることが多いから、一層落ち着いた日になる。 今日は確かミライは休みだったと言ってたか。サーバルとカラカルと一緒に雪山地方の温泉に行っているそうだ。

それはそうと、昨日書いたセルリアンの対処法についてだが、文書化したところ対処法というより予防法に近いものになりそうだ。 セルリアンは純度の低いサンドスターや、最低純度のサンドスターであるサンドスター・ロウでできている。それはあの火山から噴き上がる火山灰に入り混じって含まれているのは明白だ。 そうであれば、それらの低純度のサンドスターをフィルタリングできる機構を作ればよいのではないか?というのが答えだ。 原理については火山研究部門の面々が解析したものを参考に組み上げることにしよう。一刻も早く提出しなければだし、休んでいる暇はないから、今日は徹夜だ。

20██年█月██日

今日は雨ではないみたいだが、分厚い雲が空を覆っててとても暗い。 黒いセルリアンが他のエリアでもよく聞くようになってから、一層忙しくなっていっている。セルリアンの襲撃による設備の破損も激しいらしく、修繕スピードが追いつかないそうだ。

そういえば、徹夜で完成させた報告書を所長に見せたところ、もっと簡単に対応できる物があるらしい。 所長曰く「四神」というものらしいのだが、4枚の石版が山頂で発掘されたという。それが四神だという。 私はそれが何なのかよくわからなかったのだが、火山研究部門の██達が言うに、ここが海底にあった頃から埋まっていたものだそうだ。 詳しい話は後日に確認したい。有効な方法であれば早速でも使いたい。

20██年██月█日

久々にミライとサーバル、カラカルが研究所にやってきた。温泉の次はロッジで寝泊まりしたとサーバルが自慢をしてきた。 彼女らは実に強い。既に黒いセルリアンを2体も倒しているというのだから驚きだ。まあ、そのせいで竣工して間もないアトラクションが使い物にならなくなったらしいが、それでもあの堅物を2体も倒せているのは実力者と言っても過言ではないだろう。

そして、先日の四神についてだが、直接火山研究部門に問いただしてみると驚くべきことがわかった。 既にあの火山にはフィルタリングシステムが備えられているという。いつ頃どうやって設置されたかは不明だそうだが、どうやらその機能を維持する上で四神の石版が必要らしく、今の時点ではちゃんと機能はしていないそうだ。現在急ピッチで石版の解析と強化を行っているが、果たしてどうやって設置をするべきか…。

いや、良い方法を思いついた。そうだ、あの実力者が居るじゃないか。親友として頼むのは心が痛むところだが、一度相談を持ちかけてみよう。

20██年██月██日

既にパークセントラルの周囲には多くのセルリアンが取り囲んでると聞く。武装部隊を配備してセントラルを保護しているが、いつまでそれが持つかはわからない。 そして、ミライらに相談してみた。結論だけ言えば引き受けてくれるというそうだ。本当にミライ達には貸しばかり作ってしまっている気がして、感謝の言葉も足りないくらいだ。

それはそうと、四神に関してはおおよそ研究が完了したようで、いつでも配置できるようになったそうだ。 発掘当時よりも軽量化されていて、とても扱いやすくなっているらしい。所長の言うことだから本当に当てになるかは分からないが。

とにかく、準備は整った。あとはミライ達に希望を持つだけだ。

20██年██月██日

どうやら私はここまでのようだ。 多くのセルリアンが武装部隊を倒してセントラルに侵入してきた。 私と所長は責任を持ってセントラルの職員を避難させたから、そこまでの被害はないはずだと思う。思いたい。

幸いにも四神フィルタはちゃんと設置されたと彼女からの無線で知った。これでパークでセルリアンがこれ以上増えることはないだろう。 サーバルとカラカルも元気に暴れているそうだ。狩りごっこの延長線だ、みたいなことを言っていたか。

とにかく、これでパークに平和がやってくるはず。ジャパリの本社にも報告をした。 これでよかったんだ。お父さん、お母さん。 私はがんばったよ。

  1. これらの為、一時的にJAPARIグループは要注意団体に指定されていました。